東洋経済オンラインに寄稿しました。
タイトルは、「Airbnbの爆発的成長を支えるたった3つの原則」です。

日本でも最近さまざまな話題を提供している民泊事業。世界で初めて民泊事業を起こし、今、世界で最大手である「エアビーアンドビー(Airbnb)=通称エアビー」。当然のことながら、彼らのビジネスも始まりは、文字どおり、食うにも困る「マイナス状態」でした。

しかし、そこから押しも押されもせぬ一大事業へと発展を遂げたのは、創業者の3人が、ある伝説の投資家から「シンプルな教え」を授けられたからです。それがやがて、彼らにとっての「シンプルなルール」へと姿を変えました。

創業者3人が、同社の初期段階で、最も大切にした「シンプルなルール」とは何だったのか。
私が監訳を務めたMITサル教授、スタンフォードのアイゼンハート教授による共著「Simple Rules」のなかで述べられている内容を簡単にまとめています。

http://toyokeizai.net/articles/-/190626

8月の最終週から9月頭にかけて、シリコンバレーエリアとスタンフォード大学キャンパスを訪問してきました。

San Francisco到着初日は、同市内らしく、霧模様で気温も低く、真夏の蒸し暑い東京との寒暖差に出迎えられました。一方、わずか1時間強程、内陸に向かって南にドライブした地であるStanford大学とその周辺の市であるPalo Alto(テスラ本社在)、Menlo Park(Facebook本社在)、Mountain View(Google本社在)、Cupertino(Apple本社在)は、強い日差しの下で乾いた空気が広がり、真夏そのものでした。

今回の訪問は、スタンフォード大学での研修プログラム作りために、キャンパスを訪れることが主な目的でした。デザインシンキング発祥の地であるInstitute of Design at Stanford(通称 d.school)のイノベーターズマインドセットを学びながら、実践的英語コミュニケーション力を高める、日本人ビジネスパーソン向けのプログラムの骨格が見えてきました。期間は8日間程度になる見込みで、来年の夏の実施に向けて、これから細部を詰めていく計画です。

当地訪問の様子を、何回かに分けて、本ブログで紹介していこうと思います。今回は、まず、スタンフォードキャンパスの変貌ぶりについて書きます。

私がスタンフォード大学をはじめて訪れたのは、大学生の時に参加した、1か月間の短期留学プログラムの時でした。グーグルが創業される以前の当時、スタンフォードの周辺には、すでにシリコンバレーを代表する企業群が数多く存在していましたが、現在のように、私たちの生活により身近な存在である、スマートフォンやインターネット関連サービスを提供するスタートアップ企業は、まだまだ少なく、学生の私にとって、シリコンバレーという言葉は、正直あまりピンとくるものではありませんでした。
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当時のキャンパスの印象は、とにかく広い。
ファーム(=農場)というニックネームで呼ばれることからも、スタンフォードのキャンパスの規模は、けた違いであることは良く知られています。キャンパス内を、マウンテンバイク、ローラーブレード、車で走り抜けても、果てしない広さです。東京ドームが700個入るという、その敷地は、広大なキャンパスと表現するレベルではありません。私の記憶では、青空の下、のどかで、のんびりとした空気の流れるキャンパスのなかで、学生たちは、大学生活を送る最高の空間というものでした。
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私にとって、はじめて見るアメリカの大学のキャンパスであったため、これがアメリカの大学のスタンダードか、と勘違いしてしまいました。しかし、もともと日本と比べて、キャンパスの広いアメリカの大学の中でも、スタンフォードの環境の良さは、比較にならないものです。そんなことも知らない自分は、すっかりこれがアメリカの大学の代表例だと、すっかり勘違いをしてしまいました。

そして、本題である、スタンフォードキャンパスの変貌ぶりについてです。はじめて訪れて以来、数多く、同キャンパスを訪れているものの、やはり、大きく変わったという印象を受けています。それは、キャンパス内には、土地がふんだんに余っていますが、年々、校舎が増え、景色が毎年変わっていくのです。
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特に、今回感じた印象は、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)のキャンパスと共通する、多額の資金の匂いです。つまり、それは、産業界との結びつきを意味しています。余談ですが、ハーバードは、元々、チャールズ川の北側にあるケンブリッジ市に広がっていましたが、新たな校舎を建設するための土地が限られているため、チャールズ川の南側にあるボストン市の敷地を購入し、南に広がってきています。なかでも、ハーバードの経営学大学院であるHBSは、ボストン側に広大なキャンパスを有し、豊富な資金をバックに、設備の整った校舎が立ち並んでいます。ハーバード生の間でも、ビジネス・スクールのキャンパスに踏み入れると、どこか、リッチな空気を感じると言われています。
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今回、スタンフォードのキャンパスを訪れて感じた空気も、まさに、同じものです。以前は、シンプルに、広大で、のんびりした空気の漂う、カリフォルニアの特別なキャンパスというものでしたが、今は、ここに、資金の匂いがプンプンしていました。周辺の企業や卒業生からの多額の寄付により、新たな校舎が建てられていく様は、スタンフォードと、テクノロジー業界をはじめとする産業界との強い結びつきによるものだと、肌で感じることができます。

グーグルの本社がキャンパスと呼ばれる理由は、同社の2人の共同創業者が、出身大学であるスタンフォードの広大なキャンパスをイメージして、職場のコンセプトを作り上げたことからだと言われています。テクノロジー企業のトレンドや、働き方改革に代表されるような、職場のあり方を考えるうえでも、スタンフォードのキャンパスを訪れることで、多くのヒントを得られると言えるでしょう。

ハーバード留学中に、アメリカ東海岸から、西海岸を訪れたときの印象よりも、今回のように日本から訪問するときの方が、この違いを敏感に感じ取れるというメリットがあると、強く思いました。数年間、同大学に所属して、じっくり腰を据えて学ぶことで得られるものとは違い、短期の間、同大学のキャンパスに滞在し、研修を受けることで吸収できる内容は、より濃密なものになると考えています。

また、次回以降、続きを書いていきたいと思います。

猛烈に仕事が速い人は、なぜ、そんなにも仕事を素早くこなすことができるのか。

頭の回転が速い、経験が豊富、知識レベルが平均的な人と違う、等々個人としての能力が高いからなのか。

あるいは、周囲の人と協業するのが上手であったり、特別な人脈があるからであったり、特別なリソースを有しているからなのか。

または、人一倍集中力が高いとか、疲れをしらず無尽蔵のエネルギーがある、インプットの質と量が違うからか。

と、いろいろ考えてしまいます。

この問いに、気づきを与えてくれた本が、
“Simple Rules”、
(邦訳 Simple Rules「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える)です。

Simple Rules J
米国内でベストセラーとなった本書の著者は、MITで戦略論の教鞭をとるドナルド・サル教授とスタンフォードで教鞭をとるキャスリン・アイゼンハート教授のお二人です。

私は、有難いご縁があって、本書の監訳を担当させていただきましたので、本ブログで、本書の内容を簡単にご紹介させて頂きます。

著者のお二人は、元コンサルタントというバックグランドや戦略論の教授というバックグランドから想像すると、とても難しい理論を唱える人物かと想像してしまうのですが、実は、彼らの主張はとても、わかりやすく、ストレートなものです。それは、一見複雑に見える世の中の意思決定過程は、とてもシンプルなルール付けのもとで行われている、ということです。

例えば、設備やベッド数の限られる戦地の野戦病院に次々と運び込まれる兵士の治療は、1分1秒が死活問題のなかで、死亡率を最小化するために、どの病人・けが人を優先するかの判断には、脈拍数、呼吸数などの、限られた判断材料をベースにした、極めてシンプルなルールが設けられている、と紹介されています。

企業戦略の分野に目を向けると、Airbnbが当初注力した戦略におけるシンプルな基準は、ホストを大切にする、企業信念に共感してくれるホストを獲得する、といった極めて単純なルールだった、ということが紹介されています。

共通点は、一見複雑な方程式によって解かれている、と思われがちな場面において、実は、それらの意思決定基準は、思いのほかシンプルで、わずか、3~5つぐらいの、ルールで取捨選択されている、ということです。

実は、著者の1人であるドナルド・サル教授は、MITで教鞭をとる以前に、Harvard Business Schoolで教えていたことがあり、なんと、私は、彼の指導を受けたことのある学生の1人です。

本書は、米国のビジネス書らしく、豊富な実証データが紹介されています。世の中の、こんなにも多くのことが、わずかな数の、シンプルなルールのもとに動いているということを、様々な角度から紹介され、とても説得力があります。

さらには、どのようにして、シンプルなルールを作っていくか、そして、そのルールをどのように私たちの日常のなかで、臨機応変にアジャストさせながら運用していくか、いうアプローチも紹介されており、私たちの日常の意思決定や、職場において、とても役に立つものです。

よかったら、一読してみてください。

 

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