日本人の友人・知人から、英語学習に関して、質問を受けるなかで、最も多いものの1つに、「英語が聞き取れない」というものがあります。つまり、英語のリスニング力についての悩みです。

実は、リスニング力アップは私たちノンネイティブの日本人が「英語で堂々と自分の意見を述べる」というVERITAS英語プログラムの設定しているゴールにとっても、いくつかの理由から、とても大切なことです。そのため、VERITASでは、体系的にリスニング力アップに取り組みます。

VERITASのアプローチは、単に、ひたすら、何百時間のニュースや映画を1年間のうちに、聞きましょう、といった「うさぎ跳び」を繰り返すような前時代的な学習法ではなく、より体系的なものです。

本日は、リスニング力アップに効果的なアプローチを考えるうえで、リスニングが苦手な原因について述べたいと思います。課題の解決にあたっては、まず、表層的な課題の原因ではなく、裏に隠れた、根本の原因を見極めなければ、解決策を生み出すことはできないからです。

VERITASでは、私たち日本人が、リスニング力を苦手とする理由として3つ存在すると考えています。本日は、そのうちの1つ目について、ご紹介します。それは、「前から力」の不足です。

こちらの例文をみてみましょう。

It's not uncommon for Fountain Hills residents to go to a neighboring town for a special cultural event, as we are a fairly small town.

この一文を、ネイティブが口に発するとすれば、おそらく、8-10秒程度。CNNやBBCのニュースキャスターであれば、6秒程度で読み上げるでしょう。

では、ここで自問をしてみます。

私たち、日本人は、この文章を6秒で読んで、内容をすぐに理解できるでしょうか?その際、知らない語彙は、すべてクリアになっていると仮定しましょう。

初見のこの英文を、8秒で詰まらずに読むことは、なかなかできないものです。さらに、意味を理解しながら、読むのは至難の技でしょう。

では、15秒ほどの時間をかけて、ゆっくり読んでみましょう。通常は、頭のなかで、日本語に訳していくでしょう。

ざっと訳すと、以下のようになります。

原文:
It's not uncommon for Fountain Hills residents to go to a neighboring town for a special cultural event, as we are a fairly small town.

訳文:
ファウンテンヒルはとても小さな町のため、この町の住民にとって、特別な文化的イベントのために、近隣の町に足を運ぶことは、まれなことではありません。

ここで、訳文を作り上げるのに一番苦労することは何でしょうか?それは、「語順」の入れ替えです。英語と日本語は、主語、述語、修飾語の語順が全く異なります。そのため、英語を日本人が理解をしようとすると、必ず、この「語順」の壁にぶつかります。しかし、実のところ、この「語順」の壁は、読んでいるときは、さほどの障害には感じません。単に、語順を入れ替えて、理解すれば、つまり、時間をかけて、頭を使えば、英文を理解することは可能だからです。

では、ネイティブスピーカーがこの英文を読み上げた時に、私たちは、英文と日本文の語順の違いを意識して、語順を入れ替えながら、解釈する時間の余裕はあるでしょうか?答えは、No、です。

私たちがが頭の中で、語順の入れ替えをしている隙に、ネイティブスピーカーは、次の英文を口から発するでしょう。これが、1対1の英会話であれば、相手は待ってくれます。しかし、CNNやBBCのニュースキャスターは待ってはくれません。そのため、私たち日本人は、一文一文の英文の解釈に手間取るうちに、「周回遅れ」になっていきます。

このことは、日本人が漢文を読むときも同じです。それは、「レ点」をつけて、語順を入れ替えながら、漢文の意味をとらえます。日本人は、中国語にしろ、英語にしろ、外国語を理解する際に、この「語順」の壁にぶつかります。漢文を読む際には、「レ点」という、とても便利なツールを発明しました。しかし、英文を読む際には、「レ点」は使いません。さらに、リスニングの際には、「レ点」はいずれにしても使えません。

そこで、私たち、日本人が英語を「聞ける」状態にするは、英語の語順のままに、前から順に理解する力が必要になるのです。それをVERITASでは、「前から力」と呼んでいます。「前から力」とは、英文を前から順に理解していく力のことです。「前から力」を鍛えれば、早口のニュースキャスターの英文も「周回遅れ」にならずに理解できます。

英語のリスニングが苦手な私たちは、すぐに、英語の「音」を課題と捉えます。もちろん、「音」も課題ではありますが、実は、この「語順」の壁こそ、私たち日本人のリスニング力を阻む最大の課題であり、それに対処するための「前から力」を徹底して鍛えなければ、CNNやBBCのニュースを聞き取る力は永遠に身につきません。

そのため、VERITASでは、「前から力」を徹底して鍛えていきます。次回以降、この「前から力」の効果的な鍛え方について、当ブログで紹介したいと思います。