猛烈に仕事が速い人は、なぜ、そんなにも仕事を素早くこなすことができるのか。

頭の回転が速い、経験が豊富、知識レベルが平均的な人と違う、等々個人としての能力が高いからなのか。

あるいは、周囲の人と協業するのが上手であったり、特別な人脈があるからであったり、特別なリソースを有しているからなのか。

または、人一倍集中力が高いとか、疲れをしらず無尽蔵のエネルギーがある、インプットの質と量が違うからか。

と、いろいろ考えてしまいます。

この問いに、気づきを与えてくれた本が、
“Simple Rules”、
(邦訳 Simple Rules「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える)です。

Simple Rules J
米国内でベストセラーとなった本書の著者は、MITで戦略論の教鞭をとるドナルド・サル教授とスタンフォードで教鞭をとるキャスリン・アイゼンハート教授のお二人です。

私は、有難いご縁があって、本書の監訳を担当させていただきましたので、本ブログで、本書の内容を簡単にご紹介させて頂きます。

著者のお二人は、元コンサルタントというバックグランドや戦略論の教授というバックグランドから想像すると、とても難しい理論を唱える人物かと想像してしまうのですが、実は、彼らの主張はとても、わかりやすく、ストレートなものです。それは、一見複雑に見える世の中の意思決定過程は、とてもシンプルなルール付けのもとで行われている、ということです。

例えば、設備やベッド数の限られる戦地の野戦病院に次々と運び込まれる兵士の治療は、1分1秒が死活問題のなかで、死亡率を最小化するために、どの病人・けが人を優先するかの判断には、脈拍数、呼吸数などの、限られた判断材料をベースにした、極めてシンプルなルールが設けられている、と紹介されています。

企業戦略の分野に目を向けると、Airbnbが当初注力した戦略におけるシンプルな基準は、ホストを大切にする、企業信念に共感してくれるホストを獲得する、といった極めて単純なルールだった、ということが紹介されています。

共通点は、一見複雑な方程式によって解かれている、と思われがちな場面において、実は、それらの意思決定基準は、思いのほかシンプルで、わずか、3~5つぐらいの、ルールで取捨選択されている、ということです。

実は、著者の1人であるドナルド・サル教授は、MITで教鞭をとる以前に、Harvard Business Schoolで教えていたことがあり、なんと、私は、彼の指導を受けたことのある学生の1人です。

本書は、米国のビジネス書らしく、豊富な実証データが紹介されています。世の中の、こんなにも多くのことが、わずかな数の、シンプルなルールのもとに動いているということを、様々な角度から紹介され、とても説得力があります。

さらには、どのようにして、シンプルなルールを作っていくか、そして、そのルールをどのように私たちの日常のなかで、臨機応変にアジャストさせながら運用していくか、いうアプローチも紹介されており、私たちの日常の意思決定や、職場において、とても役に立つものです。

よかったら、一読してみてください。

 

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